ボーカルミックスの基本



MIX初心者

ミックスを始めてみたけど,上手くいかないし,よくわからない...

最初はそもそも機材の使い方,DAWの使い方が曖昧なところからスタートする人がほとんどだから,ミックスに集中出来ない...

機材・DAW・MIX・プラグインの記事を行ったり来たりして疲弊して,気づくと夜中に・・・

なんてことも多いですよね.そこで今回は..

 ボーカルMIXの手順を学ぶ

私の使用しているプラグインも合わせてお伝えします!


MIXの準備①-ボーカル音源のクリーニング

 

まずはボーカルの音源をきれいにしてミックスしやすい状態にします.ここを怠るとミックスが終わった後に「なんか違う」状態になってしまうことがあります.

ボーカルの「素材が良い音源」とは何でしょうか?

  • ピッチとリズムがバッチリ合っている
  • 良いマイクプリ・マイクで撮っている
  • 環境音が入らないような工夫がされている

様々あります.

ここでいうクリーニングとは「環境音が入らないような工夫」をミックスする側(エンジニア・MIX師)が補正するようなイメージです.ただ、やはり歌撮りの段階でレコーディング方法・環境・機材を整えて、クリーニングの必要がない音源には劣ります.それでも、ミックスする側は頂いた音源を全力でクリーンな状態にする必要がありますね!私はクリーニングにiZotope社のRX8 Advancedというソフトを使用しています.


MIXの準備②-ピッチ・リズム修正

次にやる作業はピッチ・リズム修正です.ボーカリスト・歌い手さんによっては,この作業を嫌う人もいます.しかし,普段テレビやyoutubeで流れるプロのアーティストの音源を聴いてわかる通り,ほぼほぼ寸分狂いなく調整されています.中にはピッチ・リズム調整の必要ないプロのボーカリストもいらっしゃいますが、ほんの一握りです。。やはり、多くの人に聴いてもらいたければ、多くの人が納得する音程やリズムにしないと聴いてもらえません。私はピッチ・リズム修正にCelemony社のMelodyne5 editorを使用しています。

さて、これでミックスする準備が終わりました。次からやっとミックス開始です。

デジタルイコライザー

多くの人がミックスを学び始めると最初に耳にするイコライザー(EQ).ミックスはEQと次に紹介するコンプレッサーの2つで構成されていると言っても過言ではない程,重要なプラグインです.

EQとは簡単に言えば「音全体ではなく,一部分の音程(帯域)の大きさを変える」ことができるプラグインです.ボーカルだけでなくほとんどの楽器に使用します.EQには大きく分けて2種類あり,デジタルEQとアナログEQがあります.出来ることは同じですが,デジタルEQは細かく調整でき,アナログEQは大まかに調整できます.

こう見ると「デジタルEQだけで良くね?」と思うかもしれませんが,アナログEQは,それぞれの「音」にすることが出来るので,上手く使い分けていくのが基本です.

EQのボーカルに対する役割としては

  • 歌に必要ない帯域のカット
  • ボーカルのモコモコ感・コモりの解消
  • キンキンする耳の痛いボーカルの解消
  • ボーカルの印象を変える味付け

などがあります.

これらは1つのデジタルEQで完結しないこともあるので,いくつか挿すこともあります.ちなみに,詳しく後述するアナログEQは「ボーカルの印象を変える味付け」をメインに行います.

私はデジタルEQにはLogic pro Xの純正EQをメインで使用し,iZotope社のNeutron3のEQもたまに使用しています.DAW付属の純正プラグインは非常に軽いので重宝しています.

コンプレッサー

次に,EQと同じくらい重要なコンプレッサー.コンプって略します.何度も言いますが,EQとコンプは超重要で,この2つを制するものはMIXを制すると言われています.コンプは「音の大きさを揃える」ことができるプラグインです.音を揃えることによって様々な効果をもたらします.

コンプのボーカルに対する役割としては

  • 音量を整える
  • 音圧を上げる
  • 音量を上げずに前に出す
  • 音量を下げずに引っ込める
  • 別の音源と馴染ませる
  • 音を良くする(倍音を付加する)

etc..

かなり色んなことが出来ます.つまみも多いし,音の変化も最初は分かりづらいので,ここでつまずく人も多いんじゃないでしょうか?さらにコンプの中でも様々な種類があり,それぞれ特徴が違います...知れば楽しいのですが,知らないうちはこれがまた厄介です.

私がメインで使用しているのは

  • Plugin Alliance社のMC 77
  • IK Multimedia
  • Arturia社
  • iZotope社
  • waves社
  • Solid State Logic社
  • Logic pro Xの純正コンプ

など,様々使い分けています.

アナログイコライザー

次は先述で触れた,音作りメインのアナログEQです.カットでもブーストでも使います.これまた種類が多く,それぞれのプラグインで特徴が違います.とても奥が深いので,難しいですが知れば知るほど楽しいです.

私がメインで使用しているのはIK Multimedia社,Arturia社,iZotope社,waves社,Solid State Logic社のプラグインです.

ディレイ・プレートリバーブ・ルームリバーブ

最後は空間系と呼ばれる,3つのプラグインです.他にも種類はありますが,基本的にはこの3つを中心にかけていきます.カラオケでいういわゆるエコーをかけること同じで,オケと馴染み,歌を演出する役割があります.この中の1個か2個しかかけない方もいらっしゃいますが,役割が細かく言うと違うので,それぞれ少しずつかけてバランスを見ていくことをお勧めします.

私がよく使用するのは,waves社のTrueVerbとH -Delay,Izotope社のNeoverbです.濁りなく綺麗にかかります.

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はボーカルMIXの処理についてお伝えしました.

もちろん素材によっては行う処理や手法も変わってきますし,使い手によっても変わります.ただ何か1つ型を決めて,そこから派生して学んでいくことでMIXの上達に繋がります.まずはこの記事を基本の型にしてみてはいかがでしょうか?私もまずはこの型を教わり,少しずつ自分の考えや新しく学んだことを足していっています.

Reymikka
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