こんにちわ、レイミッカです。
ドラムの音作りやミックス時の処理って難しいですよね。パラデータのミックスは悩むことも多いと思います。やること多いし。 今回はアコースティックドラムにおけるキック(バスドラム)のミックス時の処理についてお話しします。
AIに聞いてみる
最近は”AIが発達している”と多くのSNSで話題になってますよね。 とりあえずChatGPTに聞いてみました。 質問は 「ドラムのkickのミックスのやり方教えて」 すると
- EQによる調整
- コンプレッションによる調整
- 音量の調整
- パンニングの調整
これらはあくまで一般的な手法であり、具体的な楽曲によっては、異なるアプローチが必要になることもあります。” とのこと。 各項目の内容は省略してますが、こういう話でした。 凄い、ChatGPT。正直、情報として充分すぎると思いました。 これを私なりの解釈を説明したいと思います
EQによる調整
“まず、キックドラムのEQを調整し、不要な周波数をカットすることが重要です。例えば、低音域を強調することでキックの迫力を増したい場合は、100Hz以下の周波数を強調し、同時に500Hz前後の周波数をカットすると効果的です。”
そうですね、大体そんな感じかも。
・パラメトリックイコライザー
イコライザーは最初パラメトリックイコライザーを使っています。 パラメトリックイコライザーのアナライズを見てみると、まず大体のキックはこのような周波数になってます。
不要な周波数をカットというと、まずどの楽器がどこの帯域を担当しているのか把握する必要があります。
こんにちわ、レイミッカです。 ミックスでイコライザーを扱う上でも、作曲する時でも、各楽器がどの辺の周波数を持っているのか何となく把握する必要があります。 ミックスの時に帯域の被りを意識しすぎる必要はないのですが、ある程度知っておくと考え[…]
帯域の被りを気にしすぎる必要はないですが、自分がその楽器にどの辺りの周波数を求めるかを考えることでミックスや音作りはしやすいと感じています。
キックはChatGPTが言うように100Hz以下を主に担当しますが、ロックやポップスなど多ジャンルで60Hz辺りを担当させることが多いです。(というか私が)
なので50Hz以下はカットし、エレキベースが担当すると想定される80〜100Hzあたりもカットします。40Hz以下は再生できないデバイスが多く、カットするだけでもクリアに聞こえます。
あとよくあるのは100〜500Hzにある「ポーン」と言う音だったり、ブーストした際に聞こえる曲全体に合わない音はカットします。これは他の楽器含め全体で聞いた時に調整しています。
そして1〜3kHzあたりに革の「ベチッ!」という音があるので、ここも曲全体で合わない音の部分はカットします。
・アナログイコライザー
パラメトリックイコライザーでカットした後は好みの音になるようにアナログイコライザーで音作りします。 プリアンプ付きのイコライザーを使うことが多いです。
通して聞いたことあるような音に変化させることができます。 私はほとんどここでイコライザーはいじりませんが、そのプラグインのプリセットなんかを使ってみるといいと思います。
ちなみに画像のEQは私のお気に入りで、Plugin AllianceのLindell 80 Channelです。音の変化が好きです。
コンプレッサーによる調整
“コンプレッションを使って、キックドラムのレベルを一定に保ち、音の攻撃性や持続性を調整します。攻撃性を強調するためには、短いアタックタイムと高いレシオを設定すると良いでしょう。”
コンプレッサーは様々な種類があり、キックによく使われるのはFETタイプと呼ばれるコンプレッサーです。 プラグインというのは実際にある機材をモデルにして作られていることがあり、私もFETのコンプレッサーをモデリングしたものを使っています。
コンプの調整できる主な設定としては
- レシオ(Retio)
- アタック(attack)
- リリース(release)
- スレッショルド(threshold)
があります。
専門的に理解する必要はありませんが、ある程度の理解は必要です。
それぞれの値はコンプレッション(音を圧縮)するタイミングや量を表します。
- レシオはコンプレッションする比率
- アタックはコンプレッションし始めるタイミング
- リリースはコンプレッションが終わるタイミング
- スレッショルドはコンプレッションする量(何dB音を圧縮するか)
を設定できます。
どういう設定がいいかは「音を聞いて判断する」というのがベストです。 しかし、初学者にとってはある程度基準みたいなものがあった方が良いと思います。
キックのコンプレッサーの基準としては
- レシオは4:1に設定
- アタック早め
- リリース早め
- 5〜7dB程度のコンプレッション量にスレッショルドを設定
とするとある程度問題ないです。
アタック・リリースの早いか遅いかの基準はありませんが、まずはこの設定で把握していくと良いです。
Attack time |
Release time |
|
Fast |
8ms or less |
100ms or less |
Medium |
8-25ms |
100-400ms |
Slow |
25ms or more |
400ms or more |
イメージ的には
「アタックタイムが早く、リリースタイムが遅い」ほど、音が全体的に遠くで聞こえるような変化を得られます。
逆に
「アタックタイムが遅い、リリースタイムが早い」ほど、近くで聞こえるようになります。
ここから設定をどう変えるとどうなるのかを色々試していってコンプレッサーを理解していきます。 人によりますがこの音の変化を理解するのには非常に時間かかるので、最初は基準に合わせ操作に慣れることをおすすめします。
専門家たちには怒られそうですが、私は最初このように理解し、徐々に音の変化を理解していきました。難しいイメージがありますが、まずは基準を得ることで相対的に理解していくと気が楽ですよ。
音量による調整
”キックドラムのレベルをミックスにおいて適切なバランスにするため、他の楽器とのバランスを確認しながら調整します。また、リズムトラック全体のレベルを下げたり上げたりすることで、キックドラムが中心に据えられたサウンドに仕上げることができます。”
フェーダーで音量の調整をする作業です。
ちなみに、ミックスは「EQやコンプレッサーをかける前に、他の音とのバランスをとった上で必要であればプラグインを挿す」のが基本です。
でもプラグイン挿したいですよね?せっかく持ってるものは使いたいし、面白いし、プラグインで音を変えるのってミックスの楽しみの1つでもあると思っているので、、挿しちゃいましょう。
挿した後に外すことも当然ありますが、それも一興です。近道だけが正解ではありません。
また、キックの音量を軸に他の音量を調整することもあるので、一概に順番の正しさを求められないと思います。
パンニングの調整

”キックドラムは通常、センターに配置されます。しかし、他の楽器とのバランスを考慮し、若干左右にずらしたり、微調整することで、キックドラムがミックス全体に適切に収まるように調整することができます。”
キックに関してはセンター意外に配置したことは正直ありません。キックが聞こえない場合、ズラさず他のもをズラします。
専門家と意見を交わし、ちゃんとした理由がない限りはセンターに配置一択で良いと思います。
サチュレーションの付与

サチュレーションは歪みや飽和感のことを指します。加えることで温かみやパンチ、重さ、鮮やかさなんかを追加することができます。
私の場合、キックの重さやパンチが欲しいのでサチュレーターを付与します。コツとしては思ったより少しかける程度に収めることです。
以下のものをよく使います。
- SoftubeのHARMONICS
- soundtoysのDECAPITATOR
- iZotopeのOzone Exciter

最後に

ミックス難しいですよね。。
私はたまたま好きだからいいですが、嫌いな人には苦行かと思います。
ぜひ苦手だと思う方は誰かにお願いすることをお勧めします。
私も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。